農研機構遺伝資源研究センターから以下のシンポジウムの案内がありました。

 

 

10回アジア植物遺伝資源 (PGRAsia) シンポジウム (ハイブリッド開催) のご案内

 

 

 

 農研機構遺伝資源研究センターは、2020年度から農林水産省委託プロ「植物遺伝資源の

 

収集・保存・提供の促進 (PGRAsia)」を実施しています。本プロジェクトでは、アジア諸

 

国のジーンバンク等と農研機構を中心とする研究チームが連携して野菜を中心とする植物

 

遺伝資源の探索収集と特性評価を共同で行い、植物遺伝資源の利用促進に取組んでいます。

 

 シンポジウムでは、最近のプロジェクトの成果をご紹介するとともに、遺伝資源に関す

 

る講演では遺伝資源をめぐる情勢を紹介していただくこととしています。

 

 

 

皆様のご参加をお待ちしております。

 

 

 

【開催日時】:20231031() 13:0016:00

 

 

 

【会場】:文部科学省研究交流センター 国際会議場

 

(茨城県つくば市竹園2-20-5) ※対面およびZoom配信での開催です。

 

 

 

【シンポジウム概要】

 

13:00 開会 司会: PGRAsia事務局(農研機構)

 

13:00-13:05 主催者挨拶  農研機構理事 中川路哲男

 

13:05-13:10 事業委託者挨拶  農林水産省 技術会議事務局 研究企画課長 羽子田知子

 

 

 

13:10-14:20 PGRAsiaプロジェクトの概要と成果

 

 13:10-13:15 プロジェクト概要 研究代表者 杉浦誠(農研機構)

 

 13:15-13:30 植物遺伝資源探索 奥泉久人(農研機構)

 

 13:30-13:50 ウリ科野菜の成果 加藤鎌司(岡山大学)

 

 13:50-14:10 ナス科野菜の成果 松島憲一(信州大学)

 

 14:10-14:20 質疑応答

 

14:20-14:30 休憩

 

 

 

14:30-16:00 遺伝資源に関する講演

 

 14:30-15:00 「遺伝資源をめぐる国際情勢について」 潮田遼(農林水産省大臣官房)

 

 15:00-15:30 「国際農研におけるコロナ後の遺伝資源を含む海外活動」 金森紀仁(国

 

際農林水産業研究センター)

 

 15:30-16:00 「ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)におけるイネ属遺伝資源の利活用促進」  佐藤豊(国立遺伝学研究所)

 

16:00 閉会

 

 

 

【参加申込】

 

参加を希望される方は、下記ウェブサイトの参加申し込みフォームより、

 

必要事項を記入して登録をお願いいたします。

 

 

 

URL:https://www.gene.affrc.go.jp/event-ws_20231031.php

 

 

 

申込締め切り: 20231024() 17

 

※定員になり次第、申込を終了させていただきます

 

 (定員:会場150名、オンライン100)

 

 

 

【お問い合わせ先】

 

農研機構 遺伝資源研究センター PGRAsia事務局

E-mail: office-PGRAsia@gene.affrc.go.jp

 

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植物遺伝資源に関する国際条約の最近のニュースをお知らせします。

 

食料・農業植物遺伝資源条約(ITPGR)の農民の権利(9条)に関する国際シンポジウムが

開催されます。

 

20229月のITPGR9回理事会の決議7/2022において、条約の事務局に対して開催するよう要請されていました農民の権利に関する国際シンポジウムが、2023912日~15日にインドのニューデリーで開催されます。

このシンポジウムでは、農民の権利を実現するための選択肢(オプション)、その実現を支援する法的手法、遺伝資源のデジタル配列情報(DSI)と農民の権利、および条約9条の実施の現状について各国の経験を共有するとともに、農民の権利に関する今後の活動についても議論される予定です。

このシンポジウムの結果概要は追ってお知らせします。

 

(注)国際シンポジウムの内容は、逐次、以下のURLからアクセス可能。

 

  https://www.fao.org/plant-treaty/meetings/meetings-detail/en/c/1628023/

 

                                                                                                 以上、 

                                  大川雅央 

                               (2023年8月29日)

 

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植物遺伝資源に関する国際条約の最近のニュースをお知らせします。

 

このニュースは当協議会の会員が、それぞれの条約のサイトに掲載されている会議の結果を独自にとりまとめたものです。内容については当協議会にお問合せ願います。

 

食料・農業植物遺伝資源条約(ITPGR)の第9回理事会(GB9)のうち、農民の権利(9条)に関する報告

 

食料・農業植物遺伝資源条約(ITPGR)の第9回理事会(GB9)が2022年9月に開催されました。そこで議論された農民の権利に関する内容の概略を掲載します。

 

 

ITPGR・第9回理事会(GB9)の概要

―農民の権利(9条)―

 

<経緯>

 農民の権利に関する臨時技術専門家グループ(AHTEG-FR、以下「専門家グループ」)は、2017年のGB7の決議7/2017により設置された。専門家グループへの付託事項は、農民の権利の実現に関する各国措置、優良事例、課題等の一覧表(インベントリー、以下「一覧表」)の作成、およびこの一覧表を基にした農民の権利の実現を促進するための選択肢(オプション、以下「選択肢」)の策定である。同グループは、2019年のGB8の決議6/2019により再設置され、付託事項を達成するため、これまでに4回開催された。

 

GB9の概要>

 専門家グループは、20229月のGB911のカテゴリーからなる一覧表と選択肢を提出した。GB9は決議7/2022において、これを歓迎するとともに、選択肢について、カテゴリー10(法的手法)は同グループの共同議長の提案であることを明示した上で、事務局に対して公開するよう求めた。(注)

次に、締約国に対しては、選択肢の利用を促すとともに、①農民の権利の実現に影響する国の施策、特に、品種開発と種子流通に関する法令を調査し、必要があれば見直しを検討すること、②生物多様性の豊かな生産システムを推進し、たとえば、コミュニティシードバンク、コミュニティ生物多様性登録簿、参加型育種、シードフェアのような手法を、法的に認知することの検討も含めて、促進することを要請した。なお、選択肢は、「ガイドライン」のように規範的ではなく、任意でインスピレーションを与えるものと位置付けられている。

 さらに、事務局に対して、条約9条(農民の権利)の実施状況を評価するために、GB10202311月予定)にその評価指標と評価の概要を、GB11にはフルレポートを提出するよう求めた。この評価は、条約の遵守報告と一覧表における各国の報告を基に実施すべきとした。また、事務局に、インド政府がホスト国になることを申し出ている国際シンポジウム(20239月予定)を開催し、農民の権利に関する経験の共有と今後の活動について議論するよう求めた。

 

(注)一覧表と選択肢は、以下のURLからアクセス可能。

 ①一覧表:

https://www.fao.org/plant-treaty/areas-of-work/farmers-rights/inventory-on-frs/en/

 ②選択肢(決議7/2022の付属書):

 

https://www.fao.org/3/nk242en/nk242en.pdf 

                                  以上、 

                                  大川雅央

                               (2023年3月25日)

 

 

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生物多様性条約の第15回締約国会議(COP15

 

生物多様性条約の第15回締約国会議(COP15)が2022年12月に開催されました。そこで議論された内容の概略を掲載します。

 

生物多様性条約第15回締約国会議の概要

 

生物多様性条約(CBD)の第15回締約国会議(COP15)が、2022127日~19日にカナダのモントリオールで開催された。

本会合では、昆明・モントリオール世界生物多様性枠組(GBFKunming-Montreal Global Biodiversity Framework)の決議と、関連する遺伝資源のデジタル配列情報(DSI)、資金調達等の6つの主要議題の決議が一括して採決・可決された。以下、その概要を紹介する。

 

1.GBF決議:CBD/COP15/L.25

 締約国会議において、GBFが採択された。以下、主な内容を示す。

① 2050年ビジョン:自然と共生する世界

② 2050年ビジョンの実現に向けた2030年ミッション:生物多様性の損失を止め反転させ、自然を回復軌道に乗せるための緊急な行動をとること

③ 2050年ビジョンに関する4つの2050年ゴール

  ゴールA:エコシステム、種、遺伝的多様性の保全・回復

  ゴールB:生物多様性の持続可能な利用・管理

  ゴールC:遺伝資源とそのDSIの利用から生じる利益の公正で衡平な配分

  ゴールDGBFを実現する手段の確保

④ 2050年ゴールの達成に向けた2030年ターゲット

  (緊急の行動を求める23のターゲットからなり、以下に主なものを示す。)

  ターゲット3:2030年までに陸と海の30%を保全(30by30

  ターゲット7:肥料の環境への流出や総合的病害虫管理等による農薬リスクの半減

  ターゲット10:生物多様性の持続可能な利用による農地等の持続可能な管理

  ターゲット13:遺伝資源とそのDSIの利用から生じる利益配分のための法的または政策的な措置等を採ること

  ターゲット14:生物多様性とその多面的な価値を政策や計画等に組込むこと

  ターゲット15:ビジネス業界による生物多様性への影響評価と情報公開の促進

 

2.DSI(決議:CBD/COP15/L.30

締約国会議は、GBFの一部として、DSIの利用から生じる利益配分のための多国間メカニズム(multilateral mechanism)を、世界的な基金(global fund)を含めて、構築することを決議した。

また、臨時作業部会を設置し、多国間メカニズムの構築に向けて、今後の課題(例えば、基金の運営、利益配分のトリガーポイント、基金への寄付金等)を検討してCOP16に勧告することを決議した。

なお、各締約国に対しては、今後の課題について見解を提出すること、また、事務局でそれらをまとめて臨時作業部会に報告することが要請された。

 

3.「2023-2024」資源動員戦略(決議:CBD/COP15/L.29

 締約国会議は、地球環境ファシリティ(GEF)に対して、そのゴールとターゲットの達成を支援するための特別の信託基金として、世界生物多様性枠組基金(GBF Fund)を2023年に設置するよう要請した。また、「2023-2024」資源動員戦略を採択し、この戦略においては、新たな国際的な資金調達先の一つとして、DSIの利用から生じる利益配分のための多国間メカニズムが想定されている。

                                    以上、

                                    大川雅央

 

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 食料・農業植物遺伝資源条約 第9回理事会

 

 植物遺伝資源に直接関係する国際条約には、生物多様性条約(CBD)と食料・農業植物遺伝資源条約(ITPGR)があります。このうち、ITPGRの第9回理事会(GB9)が2022年9月に開催されました。同会合の内容の概略を掲載します。 

 

食料・農業植物遺伝資源条約 第9回理事会の概要

 

 

ITPGRGB92022919日~24日にインドで開かれた。

会合では、主に6つのテーマ、多国間制度、資金戦略、持続可能な利用、農民の権利、世界情報システムおよび遵守が議論された。

 

① 多国間制度

20139月に多国間制度(MLSMultilateral System)の機能向上に関する議論が開始されたが、2019年のGB8においても合意に至っていなかった。本会合では事務局に対して、農業植物遺伝資源(PGRFA)のMLSへの自発的な提供を促進するためのメモを作成し、そのメリット等を普及、啓蒙すること、自発的な提供の進捗状況をGB10に報告するよう要請した。

 また、標準材料移転契約の支払いレベルと義務支払いの拡大に関する評価と見直しは、GB10に延期することが決められた。

 

 さらに、MLSの機能向上に関する作業をGB11までに終わらせることが決められた。また、デジタル配列情報(DSI/GSD:Digital Sequence Information / Genetic Sequence Data)、支払い率等については早期に対応すること、および作業の進捗状況について節目の報告をGB10に提出することが決められた。

 

② 資金戦略

 資金調達に関して、食品加工業界連携戦略を作成した。この戦略では、2022-2023年にPGRFAから利益を得ている食品加工業界に対して条約の価値を分かりやすく提示すること等が計画されている。また、会合では、MLSから利益配分基金に義務支払いの入金があったが、もっと多く資金が必要であること、資金目標が未定であり、解決策が必要であるとされた。

資金の運用に関しては、これまで80のプロジェクトを支援してきたこと、第5回利益配分基金が約930USドルで2022520日に開始されたことが報告された。

 

③ 持続可能な利用

(略)

 

④ 農民の権利

(略:今後報告予定)

 

⑤ 世界情報システム

 世界情報システム(GLISGlobal Information System)は、条約17条を根拠にして構築されており、利益配分の一つの形態である情報交換を促進することでMLSに貢献する。

 MLSで利用できる約110万点のアクセション(全体の89%)に、デジタルオブジェクト識別子(DOIsDigital Object Identifiers)が付与されている。GB9では、MLSPGRFAを正確に同定するためにも、GLIS のポータル上でDOIsPGRFAに付与することを引き続き進めるよう要請した。なお、国別では、日本のNAROジーンバンクが38,960点のアクセションにDOIsを付与しており、トップ109番目)に入っている。

 

⑥ 遵守

 議論の結果、条約を効率的に実施することで、持続可能な開発目標(SDGs)、特にPGRFAの保全およびアクセスと利益配分に関する目標の2.515.6の達成に貢献すること、また、報告した72%の国は国内のPGRFAMLSに提供しているが、まだ提供の無い国に対して、今後、追加支援や能力開発が必要な分野として特定したこと、さらに、報告した28%の国しか、国内に対して付属書1PGRFAMLSに含めるよう要請していないこと等が指摘された。

 本会合で各国は2回目の条約上の義務の履行に関する報告を2023101日までに提出すること、事務局はオンライン報告システムの定期的な更新を行うこと等により各国の報告を支援すること、および、遵守手順の有効性の評価についてはGB10に延期することなどが決められた。

 

なお、GB10は、1年後の2023112025日にイタリアでの開催が予定されている。

 

(参考)GB9 レポート

https://www.fao.org/3/nk642en/nk642en.pdf

                                    以上、

                                    大川雅央

                                                2022121                                

 

 

 

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協議会の性格

TASO-PGR

海外植物遺伝資源活動支援つくば協議会は、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づき、2001年10月に茨城県より法人として認定されたNPOです。 

事務局

茨城県土浦市